FabCafe Nagoya レポート

「名古屋共創会議vol.2」を開催

2021年2月10日(水)FabCafe Nagoyaにて、名古屋におけるオープンコラボレーションの可能性を探求するシリーズイベント「名古屋共創会議vol.2」をオンラインで開催しました。今回のテーマは、「中小企業のデザイン経営」における5つの特徴のひとつ「ビジョンを更新する」。計測機器レンタルのリーディングカンパニー、株式会社ソーキ 営業本部 マーケティング部 部長の双木 万梨子氏をお招きし、CI刷新プロジェクトの事例をご紹介しました。

冒頭では、「FabCafe Nagoya」がオープンして初めての名古屋共創会議に、OKB総研の長瀬が「OKBがFabCafe Nagoyaから挑戦すること」をテーマに登壇。貸出金利の低下など厳しい経営環境が続く現状を踏まえ、「従来、地方銀行はビジネスにおける川下でお客様と関わってきたが、これからはビジネスの川上からムーブメントを起こしたい。変化に向けて、小さな取り組みを着実に進めていく」と熱い想いを語りました。

続いて、株式会社ソーキ(以下、ソーキ)の双木 万梨子氏と、プロジェクトのプロデューサーとして、同社に伴走した株式会社ロフトワーク(以下、ロフトワーク)の 井田 幸希氏によるトークセッションで、熱量あふれるCI刷新プロジェクトの全容に迫りました。

株式会社ソーキ(以下、ソーキ)は、これからの土木建設における需要の頭打ちが予想されるなかで、新規顧客や新規ビジネス領域の開拓が求められる一方、「安定しているが故の保守的な社風」の改革が大きな課題となっていました。そこで、ロフトワークとともにCI刷新のプロジェクトを実施。役職や部署の壁を超え、全社員を巻き込み「ソーキらしさとは何か」を考えることから始まり、最終的に、VI(ビジュアルアイデンティティ)、コーポレートビジョン、6つの行動指針、名刺、ブランドWEBサイト、紙の会社案内という複数のアウトプットが出来上がりました。

新しいCI・VIは、在籍年数が長い社員たちを中心に「カッコイイ」「新CIにふさわしい組織に変わる努力をしていきたい」「ソーキにマッチしている」などの意見が出て、90%以上の社員が好意的に捉えています。

双木氏からは、名刺の刷新を機に「事業所名や役割名も素敵なものにしていこう」という動きがあり、受け身の社内文化からは想像できなかった変化が起きたことも紹介されました。また、プロジェクトの成功要因として、「変わらなければ」と本気で思った経営トップの強い意思と、全社員参加型プロジェクトになったことの2点を挙げられました。社員の参加率が上がったことで社内活性化につながり、「プロセスが成果となった」とお話されていました。

ロフトワークの井田氏も、「本プロジェクトは、“プロセス”自体が重要なアウトプットであるとことを再度実感できる好例でした。短期的な数字だけを追いかけるのではなく、定性的な変化の価値を認めることから「デザイン経営」は始められるのだと思います。」と述べました。

トークセッションの詳細なレポートはこちらからご覧ください。

「社員ひとりひとりを組織変革の当事者に。ソーキ『CI刷新プロジェクト』にみる全社共創の仕掛け」(株式会社ロフトワークホームページ)

最後のセッションでは、株式会社ロフトワークCOOの矢橋友宏氏が「デザイン経営」の特徴や、新型コロナウイルスの感染拡大等、不確実性が高まり、予測が極めて困難なビジネス環境を背景に、組織の一人一人がしなやかな強さを身に着けるプロセスとして「デザイン経営」の有効性について、発信されました。

そして、ビジョンを言語化・ビジュアル化することで社内外の仲間を増やし、試行錯誤しながら事業・組織をアップデートしていくことが「デザイン経営」であり、そのファーストステップが本イベントのテーマである「ビジョンを更新する」ことだと、締めくくりました。

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